仮想通貨(暗号資産)・ブロックチェーン技術の勉強法。書籍から情報収集、メディアまで。

先日Twitterの質問箱にてブロックチェーン関連の質問を募集したところ、「仮想通貨やブロックチェーンのトレンドや、全体像を把握するためにはどのような学習方法が良いのか」「普段参照しているリソースを教えてほしい」といった趣旨のご質問をたくさんいただきました。

確かに私自身振り返ってみてもかなりブロックチェーンの学習には苦労した記憶がありますし、現在業界の第一人者として認知されている方々にも、「ブロックチェーンの勉強は難しい」と言っている方は多い印象です。

そこで本記事では、仮想通貨やブロックチェーンの全体像を把握するために、私が普段行っていることを、簡単にまとめておこうと思います。

初心者がゼロから学習するための媒体・情報の整理方法

書籍

そもそも仮想通貨とはなんぞや?という方にとっては、まずは書籍で学習するのが良いと思います。

仮想通貨・ブロックチェーンをはじめとする最新のテクノロジーの学習媒体としては、

  • 書籍
  • ネットのメディア
  • podcast,Youtubeなどの音声番組

などがあると思いますが、初心者の段階でブロックチェーンの全体像を掴むにはインターネットやpodcastはやや不向きです。これには

  1. インターネットの性質上、コンテンツが細分化されており体系だっていないため、情報の収集方法を自分なりに確立させたブロックチェーン関係者のような人でなければ適切な情報を探し出すのが難しいから
  2. 初心者にとって本当に知りたい「そもそも仮想通貨って何?」「そもそもブロックチェーンって名前しか聞いたことがない」「それが既存の社会にどういう影響を与えるのかわからない」といった疑問に正面から技術的な側面にも着目しながら答えている既存の日本語メディアが非常に少なく、あったとしても英語媒体であり、その多くは技術の正確さや新規性に疑問の残るアフィリエイトサイトが検索上位に出てくる結果、本当に仮想通貨やブロックチェーン技術について知りたい場合に正確な知識を入手することが難しいから

という二つの理由があります。

つまり本来ならばテクノロジーはインターネットの情報が最も早く一次情報を入手できる方法ではあるのですが、ある程度情報に対する感度やリテラシーを高めたあとでなければどんな情報が有用でどの情報が怪しい・フェイクなのかと言った見極めがとても難しいのです。もちろんメディアの中にも業界の動向を丁寧に追い、高いコミットメントをもって情報発信をしてくださっているものもありますが(後述)、これらはグーグルの検索上位に出てくることは多くないため、少なくとも初学者がこれらを自ら探し出すことは難しいでしょう。

このような理由から、私は仮想通貨やブロックチェーンについて全くの初心者の方はまずは書籍で学習するのが良いと思っています。

ただし書籍の中にもブロックチェーンの技術に関して疑問性があったり、ブロックチェーンをなんでもできる魔法の道具であるかのように喧伝するものも多くあります。ブロックチェーンやAIは魔法の道具ではなく単なる技術に過ぎませんし、コンピュータ自体も計算機にすぎず、技術を活用するのはあくまでも人間であるということは言うまでもありません

ゆえに書籍についてもある程度著者などで絞り込みをかけて読んでみることをおすすめします。こちらの記事で紹介しています。

読むべき本に関しては、下記記事でまとめていますので、詳細はこちらをご覧ください。

関連記事:初心者が仮想通貨・ブロックチェーン技術を学習するためのおすすめ本・書籍を紹介する。金融、技術からプログラミングまで。

メディア

しかしメディアの中にも面白いものやしっかりと技術者に密着した記事を書いているものもありますので、今回は日本語文献に絞ってご紹介したいと思います。

あたらしい経済

幻冬舎が運営しているWebメディアです。インフルエンサー・ゆうこすさんの編集担当として知られる設楽悠介さんと、竹田匡宏さんのお2人が中心となり、運営されています。

ビジネス書に強みをもつ幻冬社がバックについている上に、Ethereumの共同創業者として著名なGavin氏、国内のブロックチェーン関連企業として著名なLayerXの代表・福島さん、世界的に「ミス・ビットコイン」として知られる藤本真衣さんなど業界のコアなインフルエンサーたちにも、イベントやインタビューを通して取材しており、業界のホットな雰囲気がそのまま感じ取れると思います。

また日々世界で起きている仮想通貨ニュースを取り上げるpodcastも公開されているので、毎晩通勤帰りに聞いてみると良いでしょう。

公式URL:あたらしい経済 NEW ECONOMY|幻冬舎のブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)情報サイト

Ginco Magazine

国内最大級のウォレットアプリ開発企業Gincoによるオウンドメディアです。

ウォレットアプリという観点から、セキュリティに関する記事やブロックチェーンの全体像を掴むための記事が多く、私も初学の段階ではお世話になりました。

公式サイト:Ginco Magazine – 安全に仮想通貨を管理するための情報をとどける

ビットコイナー反省会

Youtubeチャンネルです。ビットコイン支持者、通称ビットコイナーとして国内で有名な東晃慈さんによるチャンネルで、東さんの知識と、ビットコインを含む暗号通貨に対するより正確な理解が動画で得られる数少ないチャンネルです。

 

さらに上を目指したいあなたに

さて上記の書籍やメディアでの情報収集でもかなりボリュームがあるのですが、以下ではさらなるレベルアップを図るために

  • ある程度業務でブロックチェーンを取り入れたいと思っている人
  • 実際に仮想通貨業界で働こうと考えている人
  • 仮想通貨に含まれる思想に興味を持ち、さらに調べてみたいと思った純粋な愛好家の人

という方の情報収集の助けになりそうな日本語媒体をいくつか紹介しておきたいと思います。

Medium、Twitter

業界の人の情報収集としては最もスタンダードな2媒体です。Mediumでは国内、海外とも優秀なエンジニアらが知見や解説記事を投稿しており、ストック的に、Twitterでは日々の考察や議論がフロー的に流れているので、必要な範囲でチェックすると良いでしょう。

MediumでしたらHashHubはチェックしておくと良いでしょう。

Twitterは日本語なら

  • 平野さん(@junbhirano):業界のトップクラスのリサーチャー兼投資家
  • HashHub(HashHub_Tokyo):ブロックチェーンコワーキングスペース。技術やイベントの情報発信あり。
  • 極度妄想(しなさい)さん(@leo_hio):業界の狂犬
  • 木村優さん(@YuKimura45z):ステーブルコイン、経済学、NEMに特化した秀逸な投稿が多い
  • chaintope(@chaintope):福岡に拠点を置く企業。日本有数の高い技術力で有名。

らが有名です。

ブログ

Indivさんのブログ:経済圏の研究、プロトコルレイヤーのアップデートが多く、有用です。私は毎週巡回しています。
にわタコさんのブログ:イベントのログがメインです。最近はカストディや規制についての投稿も多いです。イベントログの充実ぶりはもはや「にわタコさんがいるイベントはもはや行く必要がないのではないか」と一部で囁かれるレベルであり、彼が公開してくれる記事は参加し損ねたイベントのキャッチアップに適しています。

サロン

1人で収集できる情報には限界があるので、みんなで知見をシェアしあうサロンもさらなるレベルアップには必要不可欠です。

TokenLab:IndivさんとTheCoffeeTimesさんの設立したサロン。プロトコルレイヤーの技術的なナレッジが多く共有されています。

d10n lab:平野さんが設立したサロン。ビジネスモデルの考察や規制、経済学といった広範なリサーチが多く、情報量も非常に多いです。

サロンは著名な方々がいくつか立ち上げていますが、情報量が多いのと初学者にとってはレベルが高すぎるため、ある程度体系的に仮想通貨・ブロックチェーンを理解できるようになってから必要な情報を収集するために利用するのが賢明かもしれません。実際に私もd10n labの全ての情報を読んでいるわけではなく、自分に必要なところや最新の動向が知りたい技術について適宜必要なときに読んでいることが多いです。

また、トレンドが生まれるのはだいたい海外なので、海外のニュースをCoinpost,Cointelegraphなどで逐次フォローしていくのも良いでしょう。

 

今回は初学者〜ある程度体系的に知識を身につけたブロックチェーン学習者の情報収集についてまとめました。

初学者にとっては後半の内容は専門性が高いと思われますので、まずは広くこちらの本を読んでみると良いでしょう。

関連記事:初心者が仮想通貨・ブロックチェーン技術を学習するためのおすすめ本・書籍を紹介する。金融、技術からプログラミングまで。