これであなたもソムリエ!日本酒の味の4分類

日本酒の味の違いを理解するための4つの指針

今回は利き酒師の手の内を少し紹介したいと思います。「日本酒の味の違いってどうやって見分ければいいの?」「辛口のお酒くださいって言ったのに、甘いお酒が出てきたんだけどなんで?」なんて思ってる方は多いと思います。そのような方でも日本酒の味わいの違いを理解することができれば、どんなお酒が好きでどんなお酒が自分の口に合わないかをなんとなくわかるようになりますし、日本酒愛好家の方なら「好きな日本酒をセレクトする」なんてワンランク上のことができるようになります。

それでは以下で日本酒の分類を見ていきましょう。

日本酒のテイスティングにおけるマトリックスと4区分

日本酒の香味は基本的に味と香りの組み合わせによって分類されます。すなわち味の濃い薄い、香りの強い弱いで合計2×2の4種類の区分があります。

以下の図がわかりやすいかと思います。

http://liquorpage.com/wp-content/uploads/2017/09/lp_photo_sake_type-350x263.jpg

http://liquorpage.com/soushu-kunshu-junshu-jukushu-sake-type/

すなわち、

  • 味が濃く香りが強い酒=熟酒
  • 味が濃く香りが薄い酒=醇酒
  • 味が薄く香りが強い酒=薫酒
  • 味が薄く香りも薄い酒=爽酒

となるわけですね。

以下順番に見ていきましょう。

熟酒

熟酒はいわゆる10年出荷せずに酒造で熟成させた古酒などを言います。このお酒は干しシイタケや干しブドウのようなツンとした香りとこってりした味わいが特徴です。

達磨正宗 (ダルマ正宗) 3年古酒 720ml

達磨正宗 (ダルマ正宗) 3年古酒 720ml

この達磨政宗なんかが有名です。

醇酒

醇酒は口に入れた瞬間強烈な米の味わいがします。香りはヨーグルトや蒸し米に近く、「ふくよかな米の旨味」などと酒の紹介文に書いてあるものであればこの醇酒であると思って間違い無いでしょう。

石川県の菊姫なんかは典型的な醇酒です。

菊姫 山廃純米 1.8L 1本

菊姫 山廃純米 1.8L 1本

薫酒

薫酒の特徴はなんと言ってもその強烈な香りです。りんご、なし、レモン、メロンといったフルーツのような香りがするものはもれなくこの薫酒です。
過去記事で言及した「味の好み」というのはこの薫酒です。
www.yamato0506.info

薫酒には有名な醸し人九平次などがありますね。

爽酒

香りは無いかほぼ無臭、味もサラサラして癖が無いものがこの爽酒になります。
みなさんが普段「淡麗辛口」のお酒と呼称するお酒は一般的にこの爽酒であることが多いです。

新潟と兵庫のお酒に多いですね。新潟の超メジャーなお酒、八海山は典型的な爽酒です。

八海山 清酒 1800ml

八海山 清酒 1800ml

「辛い」「甘い」という区分はない

ここまで4種類の味の区分を見てきましたが、「あれ?辛い・甘いという区分はしないの?」と思った方もいると思います。
実はここがポイントで、もし飲みたい日本酒を頼むときに「辛口・甘口」という用語を使ってしまうと、好みの酒が正しく出てこないことがあるのです。
というのも、「辛い」「甘い」というのは非常に主観的な用語です。これまで自分が飲んできたお酒の種類によって同じ酒でも人によって「辛い」と感じる人と「甘い」と感じる人がどうしても出てきてしまうのです。

例えば出羽桜という山形のお酒の大吟醸があります。

出羽桜 大吟醸 720ml (火入れ)

出羽桜 大吟醸 720ml (火入れ)

このお酒は酒造としては「辛口」として売り出しています。しかし私が利き酒師の試験を受けた際の会場にいた受験生30人のうち半分近くが「甘い」「やや甘い」と判定し、「辛口」「やや辛口」と答えたのは半分にすぎませんでした(実際に私も甘口に手をあげた一人です…)。
このことからも見られるように、同じお酒に対しても「甘い」と感じる人と「辛い」と感じる人が出てきてしまうため、もし飲食店や酒店で「辛いお酒ください」と注文してしまうと、あなたが期待したお酒が出てこない可能性があるのです。

ではどうすれば良いか?というと、具体的に試飲を繰り返しながら香りと味の強さをお店の人に伝えると良いでしょう。
例えば「香りが強いお酒がいいけど、味はあまり強いのは好きではない」と伝えるだけでも、お店の人は少なくとも薫酒にカテゴライズされる酒を出してくれますので、味のミスマッチを防ぐことができます。

今回は日本酒の味の分類について紹介しました。もっとも確かに辛口・甘口という表現はわかりにくいものではあるのですが、酒造でも使用しているしポピュラーな単語でもあることから、一概に悪いとは私は思いません。むしろどのようなお酒が好みであるかテイスティングしながら好みを見つけていき、「○○の銘柄みたいな味のものありますか」と聞いていくのが一番正確な気がします。

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